『CAL III ~完結編~』
SUPER CD-ROM2 / 1994年3月25日発売 / NECアベニュー
その名の通り『CAL』シリーズ完結編。元はPC-98で発売されたものの移植版。
PC版開発当時には、開発元であるバーディーソフト内でスタッフ間の揉め事が起き、前作までの主要スタッフが退社してしまった為(バーディーソフトの歴史については参考文献を参照)、グラフィックをはじめ前作までとは雰囲気がガラリと変わって(更にエッチシーンも完全に無くなりR指定=15禁作品)しまったので、シリーズファンの間では賛否両論あったらしいが、当時の私はそんなの知る由もなくそんなの気にならないくらい面白かった。グラフィックも個人的にはこちらの方が好みだったりする…。
ストーリーも、前作まではベースとなるストーリーはあるものの、それぞれのヒロインのエピソードは繋がっておらずオムニバスに近いものだったのが、今回は完全な一本柱になった。『II』のステージセレクトのようなものも廃止され完全に一本道でゲームオーバーもほぼ無いのでアドベンチャーゲームというよりはほぼデジタルコミック。
そしてPC-Engine版では、主人公・石橋ワタル(原作では名前変更可)の声を古川登志夫、相棒チェスの声は平野文が演じている。…そう『うる星やつら』のコンビなんですね。ノリもあのまんまな感じなのでかなりニヤリとくるんじゃないかな。
私の中では数少ない、リプレイ回数が多かったゲームである。私にとってはまさに“完結編”に相応しい内容に仕上がっているとは思った。他プレイヤーの評判はあまり良くないみたいだけどね。
<参考文献>
バーディーソフト興亡記 (総督府資料館)
(2009年9月5日 記事修正)
(2022年12月4日 記事修正)
[初出: 別冊 ケイゴノウォッチャー - PC-Engineの思い出]