2020/11/16

Vankyo MatrixPad S30

 去年末に衝動買いしてしまったOnyx BOOX Note2は会社の休憩室で大いに活躍してくれている。
 それにしてもBOOX Note2は素晴らしい端末である。手書きメモ機能の方は使う機会が無いのでさて置いておくとしても、ファームウェアのバージョンアップもちょこちょこ行われていて内蔵アプリの使い勝手が改良されているし(相変わらず不要な『書店』メニュー問題は残っているが)、間違いなく最強の汎用電子書籍リーダー(と言い切るのも失礼か?E InkディスプレイAndroidタブレットと言った方が正しいか)だと思える。ちと高価ではあったがマジで買って良かった。これからもBOOXシリーズは贔屓にしていきたいね。
 とかなんとか書き始めたところでなんとBOOX Note3発表だと!?早いよ!…ま、SoCが新しくなったのとOSがAndroid 10.0に上がった程度なので、まぁすぐに買い替えたくなる程悔しくはないけど(…BOOX Note2もAndroid 10.0化してくれるかな?)。

 …閑話休題。さて会社に単身赴任したまま(自転車通勤だし毎日荷物にしたくない)のBOOX Note2なので、自宅にも電子書籍用の10インチタブレットが欲しくなっちゃったんで買っちゃったてへぺろ…バカですね。
 BOOX Note2を2台目というのは流石に贅沢過ぎるし、自宅なら雑誌とかのカラーページも見たかったので、とりあえずAmazonで格安中華タブレット端末を漁ってみて私が今回選んだのは、Vankyo MatrixPad S30であった。
 Vankyo?…って音響メーカー(それは"O")?パチンコメーカー(それは"S")?…と、日本ではあまり聴き馴染みのないメーカーであるが、中国の深圳万拓科技创新有限公司 (VANTOP TECHNOLOGY)を筆頭としたVanTopグループの一つで、Vankyoブランドの主力商品はプロジェクターのようだが、タブレットやヘッドフォンも発売しており、Amazonをはじめ、楽天市場やYahoo!ショッピングでも自社通販ショップを展開している。

Vankyo MatrixPad S30 スペック
発売月 2020年4月
SoC UNISOC SC9863a (Cortex-A55)
(8 Cores, 1.6GHz)
GPU Imagination Technologies PowerVR GE8322 (IMG8322)
OS Android 9.0 (Pie)
メモリ (RAM) 3GB (DDR3 SDRAM)
ディスプレイ 10.1インチ IPS Screen (1920×1200, 225dpi)
内蔵ストレージ 32GB
USB USB Type-C
ヘッドフォン端子 3.5mm ステレオミニジャック
カメラ リアカメラ: 1300万画素
フロントカメラ: 800万画素
ワイヤレスLAN IEEE 802.11b/g/n
Bluetooth Version 5.0
搭載センサー 加速度センサー, GPS
内蔵スピーカー ステレオ
microSDカードスロット あり (SDHC/SDXC対応, 128GBまで)
バッテリー リチウムイオンポリマー 6000mAh
本体サイズ 241mm × 168mm × 8.5mm
重量 573g
 

 Vankyo MatrixPad S30を早速開封してみると、思いの外しっかりと頑丈そうなタブレット本体が顔を出した。
 それもそのはずボディはプラスチックではなくアルミが使われているので重厚感がある。…のは良いのだが、ただしそのせいか本体重量は573g(メーカー公称値。筆者の実測では純正液晶保護ガラスフィルムを貼った為か614gになった)と若干重ため。
 ちなみに別売の純正保護ケースは肉厚で頑丈そうだがその分重量があり、装着するとトータル843g(筆者実測値)にもなってしまい、手持ちしていると腕がしんどくなってくるのでおススメしない。どうしても保護ケースを付けたい場合は、据え置き前提ならば純正でも良いが、携帯前提であれば他のメーカー製の軽量な保護ケースを探すか、潔く裸で使用した方が良い。私はシリコンカバーを見つけて追加購入した。

▲アルミボディー。個人的にはかつて所持していた名機・HTC J Oneとか思い出して懐かしいなぁ…。
▲ ガラス保護フィルムを貼ったせいか、本体重量は筆者実測614g。
▲ 純正ケースはかなり分厚くなるし重くなるしおススメしない。

 本体の重さの件はそのくらいにして中身の方はというと、初期状態ではGoogle製アプリしか入っておらず非常にクリーン。使わないGoogle製アプリをアンインストールや無効化してやれば更にスッキリできる(ただし「音声レコーダー」と「FMラジオ」は無効化できない)。OSがクリーンなせいもあってか、格安SoCでも特にストレスも無く軽快に動いてくれる。ところでUNISOCは「ゆにそっく」かと思ったら「ゆにえすおーしー」なんだって。まあ詳しくはググって下さい。

▲ 初回起動直後。ほぼGoogle製アプリしか入っておらず非常にクリーン。

 カメラは背面に1300万画素、前面に800万画素と付いてはいるが、画質も色味もあまり良くない。ま、端から期待していなかったけども。


▲ リアカメラ。
▲ フロントカメラ。

 スピーカーは長辺サイドに2つ付いている。音質については特別悪いという事はない、一般的なスマートフォンやタブレット端末に付いているスピーカーとあまり変わらない感じ。

▲ ランドスケープならステレオに聴こえる一般的なスピーカー配置。
▲ Spotifyで音楽鑑賞。スピーカーでもまあまあ普通に聴ける音。

 USB端子は最近すっかりお馴染みのUSB Type-Cを搭載しているが、スマートフォンやタブレット向けでよく売られているQuick Charge対応の急速充電器(ウチではASUS ZenPad 3 8.0やOnyx BOOX Note2等で愛用)では充電できず使い回しができない。それはQualcomm製SoCではないので仕方ないのか。

▲ USB Type-Cで抜き差しはラク。右はSDカードスロット。

 画面は生意気にもIPS液晶なので発色も良くとても綺麗。雑誌等の文字が細かくレイアウトされたページを見開きで閲覧してもそのままきちんと読める。

▲ Onyx BOOX Note2(上)、ASUS ZenPad 3 8.0(左下)と比較。
『声優グランプリ』2020年11月号 (楽天マガジン)
▲ Vankyo MatrixPad S30の画面を接写。細かい文字でも読める。
『DIME』2021年1月号 (楽天マガジン)
▲ 参考までに実際の『DIME』2021年1月号誌面。

 本機には“読書モード”なる画面調節機能が搭載されており、要は画面がモノクロになり輝度も調整されて眼に優しくなるというもの。実際負担が軽くなるのかはともかくとしても見易くなる感じはある。“クイック設定”からいつでも切り替えできるので、読書時だけでなくゲームや動画をモノクロにしてみるのもまたオツなものである。

▲ 単なるモノクロモードといったところだが確かに眼に優しく読み易くなる感じはする。

ベンチマークテスト

 今回は初めから読書用と割り切って購入しており、また筆者はもうモバイルゲームアプリに興味が無くなったので今回そっち関連の起動テストは割愛。

PassMark PerformanceTest Mobile 3.0.1003
  Vankyo MatrixPad S30
System 1852
CPU Tests 8097
Integer Math 18076 MOps/Sec.
Floating Point Math 2897 MOps/Sec.
Find Prime Numbers 3.92 Million Primes/Sec.
Random String Sorting 6.35 Million Strings/Sec.
Data Encryption 428 MBytes/Sec.
Data Compression 3.28 MBytes/Sec.
Single Thread 951 MOps/Sec.
Cross-Platform Mark 3205
Memory Tests 7384
Database Operations 40.0 KOps/Sec.
Memory Read Cached 995 MBytes/Sec.
Memory Read Uncached 984 MBytes/Sec.
Memory White 1002 MBytes/Sec.
Memory Latency 222 ns
Memory Threaded 4198 MBytes/Sec.
Disk Tests 108378
Internal Storage Read 1118 MBytes/Sec.
Internal Storage White 59.7 MBytes/Sec.
External Storage Read 1130 MBytes/Sec.
External Storage White 15.3 MBytes/Sec.
2D Graphics Tests 9461
Solid Vectors 8001 Vectors/Sec.
Transparent Vectors 4479 Vectors/Sec.
Complex Vectors 111 Complex Vectors/Sec.
Image Rendering 1684 Images/Sec.
Image Filters 57.7 Filters/Sec.
3D Graphics Tests 3369
Simple Test 3.98 Frames/Sec.
Complex Test 25.2 Frames/Sec.
OpenGL ES using Unity 4.51 Frames/Sec.
 
Geekbench 5.2.5
  Vankyo MatrixPad S30
Single-core Score 131
詳細(Geekbench Browser)
Multi-core Score 580
詳細(Geekbench Browser)

 SoCの性能含めて全体的な作りはそこまで悪くない。こと読書や動画を観る用途であれば思っていた以上に快適で無難な端末である。ただ本体が重い。値段と性能を考えると我慢するしかないのか。ベッドサイドやトイレのお友達にするのであればタブレット用のアームスタンドを使った方が楽で良いかもしれない。
 ちょくちょく安売りも行われているようなので、読書用にでもちょっと大きなタブレットが欲しくなったらとりあえず買ってみちゃってもあまり損しない…かもしれない。

Vankyo MatrixPad S30

  • メーカー:Vankyo
  • 発売日:2020/04/07
 

<関連サイト>
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