2007/10/30

日本テレネット業務停止、そして…

 あの日本テレネットが遂に業務停止となった。

 はじめはパソコンゲーム開発が主だったが、後にPC-EngineやMegaDrive市場にも進出した。特にPC-Engineでは『ヴァリス』シリーズや『コズミックファンタジー』等、(Super)CD-ROM2ゲームを数多く発売し、一部のゲームソフトを除いては中古ゲーム屋で安価に購入できたので、少ないお小遣いで同社製ゲームを沢山購入していたPCエンジニアも多い事だろう。
 PC-EngineやMegaDriveが衰退していき、当時次世代機と呼ばれたPlayStationやSaturnやらが出揃った頃には、それまで黄金期を同社を支えてきたスタッフ達が次々と独立していった事も手伝って、同社は徐々に表舞台から姿を消し、大手メーカーの下請けや時々パチンコシミュレーションゲームを発売していた程度に、段々と規模は縮小していた。
 …まぁ、今回の件に関しては、最近の『ヴァリス』や『アークス』を劣悪なエロゲーとして他社から発売(正しくは作品の営業権譲渡)させる等の奇行が見られており「やっぱりな」という印象が強い。これで過去の同社製ゲームの劣悪エロゲー化が収まってくれれば良いが。『コズミックファンタジー』あたりなんか格好の餌食になりそうで…。

 さて、奇しくも時を同じくして『魔法の少女シルキーリップ』リメイク版公式サイトが公開。公式にはお蔵入りになった(とされている)PC-Engine版を忠実にリメイクした「少女編」、更に完全オリジナルでエロ要素も入った「大人編」の豪華2部構成……なのはいいが、なぜ“エロ”を入れる必要がある?!しかも「調教・魔獣・触手・媚薬等…」(公式サイトより)って、どうしてダーク系にする必要がある?“エロ”を足す事しかできないのか。先に挙げた2作品にしろ、同人界ならともかく商用ゲームでそういう低レベルなリメイク(というよりただの原作破壊だなコレは)をされると正直腹立たしいばかりである。

 ただ、そうやって過去の作品をダークな作品にリメイクして、ある種作品の破壊活動とも見えるのは、今の日本テレネットが、過去に独立して辞めていったスタッフ達に対する当てつけ、もしくは怨念のようなものに思えてきたのは私だけか?

当時の参考記事
筆者の蔵書から当時の『魔法の少女シルキーリップ』PC-Engine版紹介記事をキャプチャー。

▲『月刊 電撃PCエンジン』1994年3月号記事
▲『月刊 マルカツPCエンジン』 1994年4月(最終)号記事

<関連サイト>
株式会社 日本テレネット
『魔法の少女 シルキーリップ』 (リメイク版)公式サイトWaffle

(2007年11月6日 記事修正)
(2009年7月19日 記事修正)
(2011年3月13日 記事修正)
(2020年12月13日 記事修正)
(2022年12月8日 記事修正)