『Seal Online』オープンベータテスト開始!
去る2003年のクリスマスイブに、『Seal Online』のオープンベータテストが開始されたので、早速プレイしてみた。
本作はこれまでNTTのフレッツ・スクウェア内でクローズドベータテストが行われていたのだが、この度めでたくオープンベータテストにランクアップしたのである。
さてこの『Seal Online』は、スクリーンショットを見ても判る通りトゥーンレンダリング(トゥーンシェーダ等とも呼ばれている)を使用しており、キャラクターも昨今の日本人にウケそうな“萌え”要素タップリのMMORPGなのである。
グラフィック以外にも、特筆すべきシステムの一つに“コンボシステム”というものがある。これは戦闘中、特定のキーを押す事により追加攻撃(コンボ)が行えるというもので、これによりオートバトルが主だったこのテのMMORPGの戦闘が少し楽しくなっているのだ。その他にもアイテムを獲得できる“釣り”システムや、これまでは特定の職業しかできなかった露店商売が標準装備(どの職業でも行える)だったりと、随所にMMORPGでの改善点(って言ったらおかしいか)が見られ、MMORPG初体験者にもかなり易しいMMORPGに仕上がっている(…のか?)。
ちなみに本作は2000年に韓国で発売されたWindows用RPG『SEAL ~運命の旅人~』(日本では2001年にメディアクエストから発売されていた)の世界観を継承しており、空中の大陸シィルツという場所のシィルツ暦330年の世界にいた主人公が、歴史の秘密を解き明かす為にタイムスリップして冒険するというストーリーである。本作のメインとなるクエストにも前作の主要人物が関わってくるので、本作をプレイしてみて興味を持った人はプレイしてみてはいかがだろうか(現在は『EA BEST SELECTIONS』シリーズにて廉価版が発売中)。
『Seal Online』起動
とにもかくにも、公式サイトからクライアントソフトをダウンロードし、早速インストールする。
インストール後、クライアントソフトを起動すると、もはやMMORPGにはお馴染みの自動アップデートを行い、その後自動的に起動してログイン画面へ。
ログインするとプレイするサーバーを選ぶのだが、現在2つのサーバーが稼動しており、各サーバーは2つのワールドからなっている。同サーバー内ならキャラクターを共有する事ができるほか、将来的には異なるサーバーにキャラクターをコピーする事ができるようにもなるらしい。おそらく課金開始時にはサーバーは5つになるだろうと思われる。
なお、キャラクターは1つのサーバー内に5人まで作成する事ができる。
お約束のキャラメイキング
最初は当然キャラメイキングから始まる。
性別と髪型や色の変更、そして与えられた5ポイントを各パラメータに振り分ける事ができる。剣士や騎士にしたかったら“筋力”や“体力”に、僧侶や魔術士にしたかったら“知識”や“精神”に重点的に振り分けておけば、後の育成が幾分ラクになる…というのは、これまたこのテのゲームにはおなじみですな。ちなみに私はとりあえず剣士にしようと、筋力と体力に振り分けた。
キャラメイキングを済ませると、スタート地点(職業の拠点)となる村を選ぶ。ライム村とエリム街の2つから選べ、剣士を目指す人はライム村、騎士や魔術師、僧侶を目指す人はエリム街を選ぶと、その村に転職するのに必要なNPCがいる為に効率が良くなる。私は剣士を目指そうとライム村を選んだ。
そうして遂に『Seal Online』の世界へ!!
『Seal Online』の世界へ降臨!
とりあえず序盤の拠点となるライム村を散策する。
RPGの基本となる武器屋や道具屋を始め、剣士に転職するのに必要な“民兵隊”の施設があったりする。また、村の中心部にはプレイヤーが立ち上げた露店がひしめきあっており、店で買うよりも安価で入手する事ができる。
ゲームを開始してまずやる事は、基本スキル“睡眠”を覚える事。“試練の塔”と呼ばれる場所に行き、そのそばにいる風来爺さんに“睡眠”のスキルを伝授してもらう。これにより、いつでもその場に寝て体力を回復させる事ができるのだ。他にも風来爺さんからは戦闘中に連続攻撃(コンボ)をするのに必要なスキル“マーシャルコンボ”、“釣り”の3つのスキルを習得する事ができるのだが、後述の2つは自キャラのレベルとスキルポイントに条件がある為にすぐに習得する事はできないので、レベルを上げてから再度訪れる必要がある。
睡眠スキルを覚えた所で、村の外に出てレベル上げ開始。
外に出ると、かなりの数のモンスター(このゲームではバイルと呼ばれる)達が徘徊しており、倒してもすぐに次のバイルが復活してくれる。これならレベル上げで歩き疲れる事も少ないだろう。
バイルにカーソルを合わせると、現在のレベルに応じて名前が色分けされて表示される。青色が明るくなっている程自分にとって楽勝なバイル、赤色が明るくなっている程自分にとっては強いバイル。これを参考にしてバイルを倒していけば、レベル上げも簡単に行う事ができる。なお少々強めのバイルでも、コンボを使って倒していけば何とかなるが、どっちの方法でレベルを上げるかはプレイヤー次第。
このゲームでは“名声値”というものがあり、これは本作の世界での知名度といったところで、この名声値が高ければ、より難度の高い依頼を引き受ける事ができる。また、本作のメインのシナリオを追行する為にも必要となってくる。
名声値は各所にいるNPCや街の依頼所に行ってクエストを遂行して上げていく。一定の名声値以上になると自キャラの名前の頭の部分の称号が変化し、また、特定の称号以上を得ると睡眠スキルを使用した際の布団のグラフィックも変わる。
チートプレイヤーとの遭遇
年も明けた2004年1月8日。何とゲームの巻き戻り作業が行われた。更に1月10日午前1時過ぎにも緊急メンテナンスを行われるという、これまでのMMORPGにはこれまでにない異例の事態となった。 これらの件はチートツールを使用した悪質なプレイヤーが大量発生しているという事で、そんな不正プレイヤーをはじめとした全てのプレイヤーへの見せしめとも言える。
ただ、そんな巻き戻り騒動も落ち着いた1月21日。いつものようにライム村に戻ってみると、なにやら周囲が騒がしい。辺りを見回していると、やたらアイテムを投げ捨てているプレイヤーが村中を走り回っていた。チートプレイヤーだった。どうやらこの日数回にわたってこのようなばら撒き行為をしているようだ。
ばら撒き行為が終わったあとも、周囲は再度のゲーム巻き戻りが起きるのではないかという話題で持ちきりだった。実際はその後現在まで巻き戻りは行われてはいないのだが、その騒動は数日間続いたようで、23日にプレイした時にもばら撒き騒動が起こっていた。
このような騒動が起こるのは、このゲームの仕様(プログラム)がそんな欠陥を持っているからに他ならないのだが(その辺の情報はこちらのページ(うさだ)にて)、ただ今回はプログラムの改善もせずに、ただ闇雲に巻き戻り作業を行ってしまったので、ゲーム内外でかなり論争が巻き起こっていた。
とにもかくにも、開発者がチートプログラムへの対策をしっかりと行わない限り、開発者とチートプレイヤーとのイタチゴッコは今後このゲームだけに限らず永遠に続く事だろう…。
そんなこんなでとりあえずまとめ
2ヶ月程プレイしてみた時点での感想だが、本作はとても遊び易いMMORPGである。これは私が暫く『Ragnarok Online』にハマっており、本作も基本的に同じようなシステム(操作方法とか)だからという事もあるだろうが。
それにしても、本作は良い意味でも悪い意味でも、韓国や日本である程度成功している『Ragnarok Online』を参考にしているのかなぁといった感じ。グラフィックのコンセプトもコレに通ずるものがあるし、システムもうまく改良しているのかなという風に私には見えた。
ただ現在はベータテストという事もあってか、行動エリアがかなり狭められているので正式稼動(課金開始)後はどうなるのか楽しみである。『FINAL FANTASY XI』とは違いソロプレイでもかなり楽しめるので、私のようなスタンドアローンなプレイヤー(笑)にも是非オススメのMMORPGである。
<関連サイト>
『Seal Online』 公式サイト
メディアクエスト 公式サイト (『SEAL ~運命の旅人~』日本語版発売元)
(2006年11月26日 記事修正)
(2011年5月4日 記事修正)
(2017年4月29日 記事修正)
(2020年12月7日 記事修正)
(2020年12月20日 記事修正)
(2022年12月6日 記事修正)
[初出: 別冊 ケイゴノウォッチャー - ケイゴノリポート]